MITO DRAMA STUDIO

【あらすじ】
愚者ではあるが善良な牧人メロスは、久々に訪れた王都シュラクサの街で国王ディオニュスの暴政の噂を聞き、その悪心を諌めようと武器を携え王城に侵入した ところをたちまち衛兵に捕縛される。『大逆罪』により死刑を宣告されるメロス。彼はそれを恥じも恐れもしなかったが、唯一の気がかりである妹の婚礼の始末 をつけるために、友人セリヌンティウスを自身の身代わりの人質とすることで処刑の猶予を願い出る。3日目の夕暮れまでに必ず戻るというその嘆願を猜疑の塊 であるディオニュス王は莫迦げた虚言と一笑に付す。しかし、「信頼などというものがどれほど愚かしいものか人民に知らしめてやろう」との暗い思いから、あ えてメロスの望みを聞き入れる。セリヌンティウスは「あのメロスの言ならば」と自ら進んで収監に応じる。そして、満天の星の下メロスは解き放たれた。祝儀 と死の間の十里の道を往還するために…